バ美肉で得た知見(ノイズ対策)を在宅勤務に転用する
「上司がマジでバ美肉でリモート勤務してきて」ということで界隈がちょっとザワついていたが、良いことです。 ちょっとしたユーモアでもって、仕事を面白くするのはめっちゃ大事。
わたしがバ美肉で得た知見とは
おじさんがボイチェンをする上で1番の敵は何か? そうだね、ノイズだね。(声質の適性は・・コメントを控えておく)
人間の声ではない周波数の音をフォルマント・ピッチ変換してしまうことで、 高音と低音がバランスがおかしくて謎の機械っぽくなったり、喋りだしの音が人の声に聞こえなくなってしまう。 このため、「いかにノイズを抑えるか」は色々調べたのだ。
在宅勤務に転用とは
在宅勤務でチームメンバーとコミュニケーションをとる際、真っ先にするのはテキストチャット、次点でボイスチャットになる。 が、ボイスチャットをする場合は長尺(最低15分程度)になることが多いため、この時間をストレスなく過ごすのはめっちゃ大事。
自分自身の視聴環境はもちろんだが、時間を割いてもらってる相手の環境も配慮したい。 ということで、なるべく快適な音をお届けしたいのだ。 (コンテキストを理解していない相手に対して、ボイチェンした音声を延々と垂れ流すのはただの地獄でしかない。大人はTPOをしっかりしよう)
手軽に導入できるアプリということで Krisp がちょっとした話題にもなっているため、 「ひょっとしてノイズ対策って一般人にも需要出てきたのか?」と感じたのでメモを残すことにした。
抑えたい音(ノイズ)とは
経験則ではあるが、ボイチェン・通話において抑えたいのは以下4つ。
- 環境音
- 歯擦音
- リップノイズ
- 音量差
重要なのが、これらが「全くない」が正解なのではなく、「気にならなくなる」が正解である。 厳密に突き詰めすぎると時間もお金もかかりすぎるのでコスパはよくない。
環境音とは
ここでいう環境音とは「 意図して伝えたい音
以外の音」のことを指す。
通話においては、話者の発する音以外全てという認識でOK。
例えば、鳥や虫の鳴き声といった断続的に発生する音、エアコンや空気清浄機といった継続的に発生する音がある。
断続的に発生する環境音への対策
話者以外の音をなるべく拾わない、あるいはなるべく小さくなるように加工すれば良い。 まずは物理的に音を拾わないように指向性の高いもの、できれば超指向性のマイク、あるいはヘッドセット を用意したい。(指向性については audio technica の解説 がわかりやすい) よくボーカルマイクを買ったりする人がいるが、これは特別な環境(レコーディングスタジオやボーカルブースなどの騒音がない場所)で利用するもので、普通の部屋だとかえって環境音を拾いやすくなるので注意が必要だ。
継続的に発生する環境音への対策
ずっと音がしてるならば、その音の周波数帯の音量を下げてやれば良い。 昔ながらのやり方をするなら、グラフィックイコライザー を導入して調整すれば良い。 が、うまく調整するには技術が必要だし、環境音というのは日々変わるものなので、調整する頻度も多くなってしまう。
これが面倒な人は、RX7 Elements に含まれる Voice De-noise というプラグインを導入すると、ノイズを学習しイコライザーを自動調整してくれるので便利だ。
歯擦音とは
歯擦音 とは、サ行などの発音に含まれる「スー」という風切り音を指す。 個人個人の喋り方の癖によって、特定の高周波数帯が強く出すぎることがあり、耳障りに感じることがある。 これを抑えるのが ディエッサー だ。 メジャーな対策なので、物理的な機器でもプラグインでも多く出ている。これをうすーくかけてあげてまろやかにしてあげよう。
リップノイズとは
口を開いた際や舌の動きで発せられる、口の中の音のことを指す。 色々な対策があるが部屋の中の通話に限って言えば、 マイクの向き先を口から拳1つ分離れた先に向ける、かつ真正面から向けるのは避ける と良い。つまり、口から適切に距離を離して、口の中を集音するのではなくて声を録ればよいのだ。これだけで大きく変わるし、ここから先は喋り方を練習することになる・・。
音量差とは
大きな笑い声を出したり、小さな声でボソボソと独り言を呟いたり、と音量のダイナミックレンジが広いと、聞き手に大きな負担を強いることになる。 (映画や音楽では逆にこれを利用して、ドラマチックな展開を演出してたりする)
原因としては、頭を動かすことでマイクとの位置がズレてしまう事、発声する音量が大きく変わってしまう事があげられる。
頭を動かすクセがどうしても抜けない人は、ヘッドセット型のマイクを使うと良い。 ただただ笑い声が馬鹿でかくなるだけの人は、コンプレッサー をうすーくかけてあげるとまろやかになる。 発声する音量が大きく変わる人は、 Vocal Rider というプラグインを導入すると、音質・音量を自然な範囲内で調整してくれるので便利だ。
導入してみよう
Mac の人は、BlackHole という仮想オーディオデバイスをインストール。
Main Stage の入力にマイク(あるいはオーディオインターフェイス)を指定、Voice De-noise
や Vocal Rider
などのプラグインで処理をし、BlackHole へ出力する。
そしてボイスチャットの入力デバイスでBlackHoleを指定すればよい。ね、簡単でしょ。
ちなみに、Main Stage を購入するとグラフィックイコライザ、コンプレッサー、ディエッサーといったプラグインも含まれているので、「挙げられてたプラグイン高いな・・」という方はMain Stage だけ導入してお試ししてみると出費が抑えられて良いだろう。
余談
私の環境を参考がてら晒すが、趣味の兼ね合いもあって大分散財しているのでオススメはしない。 (「電子的なノイズがどうしても消えない」という人や「音でお金をとるかも」という方はお金をかけよう) 通話中にボタンをポチっとするだけで、エコーかけれたり、ボイチェンできるのはちょっと楽しい。
とはいえ
なんだかんだ書いたが、 個室 + AirPods Pro + 外音取り込みモード
がケーブルとりまわしの必要がないのと自由に動ける他ため、総合的に高い体験を得られてる気がする・・。
やりたいという奇特な人だけやろう。